テイスティング・ルーム第35回
東京のとあるバーに集まる男女3人。
モルト通とはまだまだいえない初心者からセミプロまでいますが、
自分勝手なことをしゃべっているには変わりありません。
話の内容については、まあ信用できるでしょう。
なにせ呑んじゃってるんですから。
今回のウイスキー
- ブルイックラディ13年(オフィシャル)
- 1972年ロングモーン30年(キングスバリー)
- アードベッグウーゲデール(オフィシャル)
登場人物
マスコミ関係の会社に勤務。おいしいものをおいしいと言える、20代の素直な女性。
金融関係の会社に勤務する男性。仕事がシビアな割に、舌の方の評価は優しい40代。
昼は国際派ビジネスマン、夜はバー&モルト逍遥の達人。
歯に衣着せぬコメントとおやじギャグが痛快な男性。
とあるバーのマスター。?代の男性。
今日は、お一人も遅刻なくお揃いですね。
は~い(笑)。
ブルイックラディ13年(オフィシャル)
それでは始めましょう。
今日は、昨年末の国内ニューリリースを3本用意しました。
最初の1本がオフィシャルのブルイックラディ13年、 フル・ストレングスです。
例のマッキュワンさんところのアイラ島第一号 ボトリング工場の完成記念ですね。
一連の完成記念シリーズなのですが、 かなり沢山出回っているので、 第何弾かはもうわかりません(笑)。
もう国内で発売されているんですか?
はい。
輸入元はジャパン・インポート・システムです。
ニュー・ブルイックラディのオフィシャルボトルとしては、 これが第一号のカスク・ストレングスになると思います。
アルコール度数は何度ですか?。
57.1度ですね。
なぜ「カスク・ストレングス」と言わないで、 「フル・ストレングス」と名乗っているんでしょうか?。
きっと「カスク」というような、ありきたりの表現を 使いたくなかったんじゃないかと思います。
「フル・ストレングス」って、ちょっとパワフルな感じがするでしょう?。
そうですね、確かに。
ヴィンテージは?
1989年の蒸留となっています。
今回のボトリングで1989年蒸留の原酒を何樽か合わせていると思いますので、 かなりの本数がボトリングされていると思いますが、 シリアル・ナンバー、瓶詰本数とかの表示はありませんね。
また、今後もこのシリーズを出していくという情報がありますので、 セカンド・リリース以降は、蒸留年やアルコール度数が変わっていくのではないかと 思われます。
なるほど。
それでは、ニュー・ブルイックラディのフル・ストレングスを味わってみてください。
(液体をグラスに注ぐ)
色はほとんど赤みが入っていない。
飴色かな。
バーボン樽が中心だろうと想像できるね。
確かに色は薄いですね。
ある程度合わせているとは思いますが。
華やかな香りですね。
埃っぽい。
その後にはフルーティな印象も。
ヴァニラ、それからクリーミー。
うん、ヴァニラっぽいね。
ちょっと赤ちゃんの…乳酸。
本当は酪酸だけど(笑)。
ちょっと粉っぽいかな。
うん、埃の変化した感じね。
それでも良い香り。
最近、酪酸がとっても良い香りに感じられるようになってきてしまっている私(笑)。
適度な酪酸は良い香りになることもあるね。
わしにとってはヴァニラ香として感じられるんだけど。
ああ、そうかも。
Geまでは進んでいないよね。
そうそう。
麦焼酎のアルコール感、ちょっとニューポット、パウダー、ヴァニラ・クリーム。
ブルイックラディの持つ麦芽香はあまり強くないね。
この赤ちゃんの…、クリーム、たまんないです。
味の方はいかがですか?
ああ、暖かみのある味わいです。
フレッシュ・ウッドのヴァニラ、新樽から出るタンニンの特徴。
これ、もしかしたら樽替をしているかも知れませんね。
詰め替えですか?。
ええ、この薄い色だと同じ樽に13年詰めたとは考え難いように思います。
ヴァニラとタンニンの個性からすると、樽替えをして 新樽に入れ直した可能性があると。
そういうことが推測されますよね。
味わいの背後に、葡萄の種と小豆を感じますね。
小豆はどんなところ。
小豆の皮の部分ですね。
はあ、なるほど。
後半には、タンニンとか葡萄の種とか、塩辛さとか出てくるけど。
味わいの最初の印象は何と表現するかね?。
う~ん・・・強いて言えば、癖の無い麦焼酎。
ああ、確かに。
そういえばそうだね。
頭の味わいの表現は、モルティなんですよね。
ほとんどピートは焚いていない、ブルイックラディにありがちな麦っぽい印象。
麦っぽいといっても、ジュラの麦とは違うんだよね。
そうですね。
ブルイックラディ特有の麦の個性は、蒸留所で120年前から使われている、 あのマッシュタンに由来するものだろうと思っています。
古い木樽仕込みですね。
ええ。
いまどき、あれほど古いマッシュタンを使っているのは、ブルイックラディと スプリングバンクくらいしかありませんからね。
ちびちびと噛んでいくモルトというよりは、 グイグイと呷っていくようなスタイルが似合う感じがしますね。
アルコール度数の割には軽さとドライさがあるし。
塩辛さもありますからね。
そうですね。
今漂っている香りは、麦芽のモルティさですね。
ちょっと加水すると、麦焼酎とモルトの個性が強くなってくるよ。
ああ、そうですね。
微かにピートを感じるんだよね。
塩辛いピリピリしたところに。
ピートを使っているとは思いますね。
まったくのノンピートということはありえないだろうと思いますよ。
クライマックスは塩辛いけれど、後の余韻は甘いんだよね。
確かにフィニッシュは2段階ですね。
なんだか疲れたときに、喝を入れてもらって、 励ましてもらいたい時に飲みたい感じですね。
塩辛さで気持ちが引き締まる感じがあります。
なるほどね。
今後のブルイックラディに期待してください。
はい(にっこり)。
ニュー・ブルイックラディで蒸留されたものが出てくるのはいつ頃?
マーレイ・マクデヴィッド社とジェームス・マッキューワン氏が蒸留所を買収したのが 2001年ですから、早くても2008年くらいだろうと思いますね。
ヘビー・ピートを使用しているポート・シャーロットの方が もう少し早くなるかも知れませんが。
いずれにせよ、楽しみですね。
本当にそうね。
1972年ロングモーン30年(キングスバリー)
続いての2本目は、どっちにしようか迷うところなんですが…。
えい、こっちにしましょう。
キングスバリーのケルティック文字シリーズからの1本です。
ロングモーンの30年。
蒸留は1972年ですね。
アルコール度数は?
ちょっと落ちていますので、50.2度ですね。
見ていただいてのとおり、 とても濃い赤みが出ています。
樽はシェリー熟成です。
瓶詰本数は312本となっています。
なんて綺麗な赤なんでしょう。
とても癒される気がします。
上質なボルドーの赤ワインに通じるような深みがあるね。
うわっ、香りもすばらしいです。
初手から濃いシェリーの香り。
あと、ちょっと糊のような香りがする。
少し溶剤っぽいかも知れませんね。
開けたてには溶剤ぽさが出るけれど、しばらくしたら、 落ち着いてもっと良くなると思うよ。
溶剤の中に、葡萄の種が出てきた。
ちょっとコーラぽさ、あとクローブっぽい感じ。
うんうん、コーラですね。
わかります。
気の抜けた甘いコーラ。
そうです、そうです。
クローブって、何でしたっけ?
スパイスの一種だね。
日本名は丁子。
カレーとかに入れたりするの。
ホットカクテルに使うこともあるね。
すいませ~ん、クローブを1ショットくださ~い(笑)。
すいません、お客さん。
ちょっと切らしておりまして。
今度持ってきてあげるよ。
一度買って、経験しておきます。
ああ、それにしても良い香り。
それにしても葡萄の香りがすごいね。
コニャックを飲んでいるかのような錯覚がするんですよね。
よく嗅ぐと、微妙にコニャックとは違うんですけれど。
なるほど、確かにコニャックかと思う部分があるね。
グラン・シャンパーニュとかの、でしょ。
そうです。
ポール・ジローとかに通じる部分があるんです。
添加物のない、葡萄だけから作られたコニャックに近い印象です。
味わいの方はいかがですか?。
最初の印象はコニャックの甘さ、甘さ。
本当に甘ぁ~いわぁ~。
結構苦味も出てくる。
確かに、飲み込むと苦味が出てきますね。
最初にドライな印象のコニャックがあって、次に苦味が出て、 最後にまた甘さが出てくるね。
この甘さはなんだろうか?
ああ、二度目の甘さがフィニッシュに出てきますね。
う~ん、これは何の甘さだろうか?
和菓子のようでもあるけど…。
今ちょっと何とは特定しきれないような。
ちょっと苦、渋い感じもしますね。
ああ、グレープフルーツのワタだね。
確かに感じますね。
グレープフルーツのワタ。
時間が経つにつれて出てくるんですよね、ワタ。
シェリー樽から出てくるタンニンも感じます。
そうですね。
渋みのところですよね。
あと、クローブっぽいピート。
ピートに由来すると思われるクローブの印象は、 割によく感じることがありますね。
最後の甘さは何だろうね。
ちょっと人工的な甘味。
やっぱり気の抜けたコーラの甘さかな。
ああ、そう。
コーラの甘さだよね。
30年の長期熟成の割には、フィニッシュ、余韻の印象が あまり無いように思いますが。
本当ですね。
あまり感じられない。
フル・ボディでロング・フィニッシュを期待していたら、 意外にミディアム・ボディで余韻もモデレートだったみたいな。
うまみはあるね。
最後の最後に、コーヒーの印象。
ううん・・・ああ、本当だ。
コーヒーあるね、モカ・マタリ。
コーヒーですか?すごいですね。
感じられる個性の印象だよ。
コーヒー味に変わった訳じゃないし。
それにしても味わいの変化、個性の表情は面白いな。
甘いんだけれど、甘ったるいわけではないところが良いですよね。
甘さとバランスする、ピートや苦味やいろいろな個性があるからね。
ただ甘ったるいだけでなくて、あっちこっちの方向の極端な特徴が出てきて、 全体としてバランスしているような、こういうモルトが個人的には好きだね。
甘さと酸味が最初に出て、次に舌のサイドに苦さが出て、 最後にまた甘さが出てくる。
甘さと苦さが反復するなかに、微妙に酸味が絡んできて、 いろいろな表情を作り出している。
グラン・シャンパーニュ、葡萄の種、気の抜けたコーラ、グレープフルーツのワタ、 クローブ、再びコーラ、コーヒーのモカといった感じで、とても面白い。
ああ、やっぱり余韻は長くないんだよね。
余韻がないわけじゃないんだけれど、熟成30年と聞いてしまうと、 ちょっと惜しい気がしますね。
個人的には、変化していくところが、とても面白いと思います。
1日か2日たった葡萄の香りを嗅いでみたいなぁって思います。
明後日くれば良いね。
そうですね、えへ。
いや、毎日来て1ショットずつ飲むべきだね。
ボトルが空くまで。
いや、その…。
いじめないでくださーい。
まあまあ。
時間が経ったら、最初のコニャックの印象に近づいてきましたよ。
ああ、そうですね。
溶剤っぽさも弱まってきているし。
これは、加水するのはやめます。
絶対にストレートの方がうまいから。
アルコール度数も下がっていますからね。
バランスが崩れると思うよ。
ほしいわぁ、このボトル。
誰かお祝いにくれないかなぁ。
えっ、何のお祝い?
ひ・み・つ。
うふふ。
とてもおめでたいことらしいですよ。
あとでこっそり教えたら、お祝いにくれます?
ボトルでよければ(苦笑)。
・・・(おいおい、空き瓶かよ)。
アードベッグウーゲデール(オフィシャル)
それでは、本日最後のモルトにいきましょうか。
当テイスティング・ルームは、開けたてを基本に3年間続けてまいりましたが、 今日3本めのモルトは、こころない常連さんに8日前に開栓されてしまいました。
だって、「新着」って、札がぶら下がっていたし。
テイスティング・ルームにリザーヴしておく積もりがあったのなら、 カウンターに並べちゃいけないと思うよ。
と、いうことは?
犯人は?
犯人とか、こころないとかいう表現は心外ですね。
僕はマスターがお休みの日に、「新着」ボトルのなかに、11月くらいから あちこちで話題になっていた、このニュー・リリースがあったので、 1ショット注文して飲んだだけです。
でも、その日、マスターは留守だったんですよね?
だからさ、その「こそ泥」みたいな言い方はやめてよ。
僕は、商品としてのモルトを注文して、飲んだ、そしてお金を払った。
それだけのことです。
そうは言ってもねぇ。
開けたてだもんね。
さあ、さあ。
マスター、早くそのモルトを紹介してよ。
いいかげんに空気を変えようよ。
ええっとですね、やはりこのニュー・リリースは、このテイスティング・ ルームとしても外せないのではないかと思って、用意しました。
秋のウイスキーマガジン・ライヴや、あちこちの試飲会、 それからネットでもいろいろと話題となっておりました、 あの蒸留所のニュー・リリースです。
だからさ、議事進行。
アードベッグのウーゲデールです。
オフィシャルのカスク・ストレングスで アルコール度数は54.2度です。
年数表示はありませんね。
アードベッグのオフィシャルサイトからの情報によれば、 90年と93年蒸留のバーボン樽熟成と、 それ以前に蒸留された、おそらく70年代のシェリー樽熟成とが 合わせてあるということですよね。
はい、そうです。
だから、熟成年数は10年か、 厳しめにみても9年だろうと言われてます。
ああ、そうでしたか。
最近の現地情報では、カスク・ストレングスで6年というのが 発売される予定があるということを聞いております。
カスクの6年ですか。
はい。
つまりグレンモーレンジがオーナーとなってから蒸留した アードベッグのカスクということです。
まだ出ていないんですか?
何でも2004年に入ってからとの情報ですが。
その話は私も聞きました。
楽しみですね。
そうだね。
ところで、ウーゲデールっていうのは何ですか?
アードベッグ蒸留所の水源地の名前ですね。
さて、その水源地の名を冠した話題のモルト、 皆さんの評価はいかがでしょうか?
開封後8日目ではありますが。
うるさいな(笑)。
色は濃いですね。
濃いめの琥珀。シェリーの赤みもしっかり出ているね。
香りは、いかがですか?
何でしょうか、この良い香りは!
燻製の時に使う漬けだれ、ソミュール液の香り。
そうだね、燻製の香り。
あと、塩素の香り。
あとは、消毒のような香りもします。
どんな消毒?
フェノールとか、クレゾールとか。
ヘビーなピートに由来する種類の。
なるほど。
う、うん。
ちょっと味がおかしい。
2番目と3番目は順番が逆の方がよかったと思う。
さっき飲んだロングモーンの濃いシェリーの影響で、味わいが変わってしまう。
確かにおかしいですね。
濃いシェリー熟成の後に、バーボン熟成のモルトに戻るのは難しい。
まあ、このウーゲデールは半分だけがシェリー熟成だけど。
そういえば、バーボンとシェリーのミックスでしたもんね。
このウーゲデールは。
はい。
正確には、バーボン樽熟成とシェリー樽熟成のヴァッテッドですが。
わかりました。
90年代前半のアードベッグが持っている典型的な酪酸の香りがします。
でましたね。
古樽材に由来する赤ちゃんの…。
その上に、70年代のシェリーで味付けがなされていて。
でも、おそらくボリューム的にもっとも大きなウェイトを占めるのが、 1993年蒸留のバーボン樽熟成だと思う。
なるほど。
だから、味はやっぱりちょっと変。
甘さは残りますけど、最初の部分にちょっと変なところがありますね。
変な苦味があるんだよね。
最近何度か経験したので気をつけるようにしているんだけども、 濃いシェリー熟成のモルトを飲んだ後に、バーボン樽熟成を飲むと、 味わいがおかしくなってしまう。
前のシェリーの癖によってバーボン熟成の個性が マスキングされてしまうんだろうと思うね。
やっぱり熟成の長いロングモーンを最後に持ってくるべきだったんでしょうかね。
はい。
そう思います。
ちなみにアルコール度数は、このロングモーンが一番低かったことも 最後に持ってこなかった理由だったんですけど。
でも、味わいの濃さはダントツでしたね。
すいません。
8日前に開けたてを飲んだ時には、バーボン樽熟成の原酒と シェリー熟成のスパイシーさと、ベースにあるアードベッグらしさのある ピートとがバランスして、とても良くマッチしているような印象を持ちました。
だけど、今日フルシェリーのロングモーンの後に飲むと、 原酒のバランスが失われてチグハグな感じがします。
あとは、ちょっと変な腐っているような酸味がします。
今日の現象をどのように捉えるかなんだけれど、 先に濃いシェリー熟成のモルトを飲んでしまった後から、 このウーゲデールを飲むと、シェリー系の個性が全てマスキングされてしまう。
だから、1杯目でアードベッグ・ウーゲデールを飲んだときに感じるような バーボン熟成とシェリー熟成のバランス感覚がおかしくなってしまう のじゃないかと思う。
なるほどマスキングですか。
だから、開けたてでは、90年・93年蒸留のバーボン熟成と、 70年代のシェリー樽熟成が絶妙にバランスしていたわけですが、 今日は、濃いシェリーが担っていたスパイシーさがなくなって、 主に93年蒸留の若いモルトの個性だけが出てきてしまったわけです。
なるほどね、赤いセロファン越しに信号を見ているようなもんだね。
前に、ニッカのウイスキーでも同じような経験をしました。
ある時、まず先にシングル・カスクで、すごくピーティーな余市を飲みました。
その後で、余市の12年を飲んだのですが、 まったく味わいの印象が変わっていました。
シングル・カスクのピーティーさが強く残ってマスキングの役目をしたため、 余市12年ではピート感はまったく無くなっていました。
なるほど。
で、この話にはまだ続きがあって、最後に味わいの個性で残ったのは…。
残ったのは?
シェリー樽の硫黄臭さだけだった(笑)。
なるほどね。
マスキングの恐ろしさ、かな。
ロングモーンの印象が、とても強烈でしたからね。
最後に、ちょっと葡萄の種が出てくる。
すこし生臭さを感じるし、アンバランスなところもある。
ピーティーさも感じられるけれど、ちょっと変な印象がある。
私は、シェリーとバーボンの両方が感じられて美味しいと思います。
とても面白いと思います。
かつてのアードベッグはバーボン100%だったんですが、 シェリーの割合も高まってきていますね。
70年代蒸留のシェリー熟成についても、おそらくブレンデッド用に製造された 原酒ではないかと思います。
このウーゲデールのようにボディ感がしっかりとしていて、 余韻の長いモルトには何度飲んでも美味いと思うものが多いのですが、 今日飲んだウーゲデールについてはチグハグしたところがあるので ちょっと残念です。
明日か明後日に、みんなで来て、ウーゲデールから順番に 今日のおさらいをすることにしましょう(笑)。
でも、その時には…。
その時には?
アードベッグのマスキングによって、 ロングモーンの味わいが落ちるかも知れない(笑)。
ああ、やっぱり酪酸の残り香がすごいですね。
華やかで。
モルトの順番はとても難しいと最近いろんなところで感じるようになった。
開封してからの時間経過、食事・つまみとの相性だけでなく、 前後との順番が、味わいの感覚や好き嫌いに影響するように思うね。
それでは、まとめに行きましょうか。
ええっと、ロングモーンは、明後日また飲みに来たいと思います。
ロングモーンの良いところは、ただ甘いだけでなく、 いろいろな個性のバランスが取れているところです。
予算さえ合えば購入したいモルトですね。
アードベッグのウーゲデールは、燻製みたいなところがあって、 意外と食事しながら飲めるモルトかも知れないなと思いました。
ブルイックラディは、先ほども言いましたけど、 哀しい時にその哀しさを吹っ切っていくために飲みたいモルトだと思います。
ええっと、今回、マスターは2つのミスを犯したと思います。
ひとつは、自分の落ち度を棚に上げて常連の一人を犯人呼ばわりして、 吊るしあげたことです。
そうだっけ?(笑)
そしてもう一つは、ロングモーンを、ウーゲデールの前に持ってきて、 オフィシャルのナチュラル・カスク・ストレングスの味わいを、 興ざめするレベルに落としてしまったこと。
そうだ、そうだ(笑)。
ブルイックラディは、バーボン樽由来のバニラのような個性と、 ラディの原酒が持っている薄い麦焼酎の個性とがよく合っていると思います。
ウーゲデールは、8日前に飲んだ時には、ピートとバーボンの特徴に、 シェリーのドレッシングが効いていて、コミッティ・リザーヴを髣髴とさせる 廉価版のカスクでいいなあと感じ入ったのですが、 その、誰かさんの順番違いのせいで、マスキングがされて、 少し興ざめしてしまったところが残念です。
僕も、明後日、あらためてウーゲデールを飲み直しに来ようと思います(笑)。
ロングモーンについては、シェリーの個性と原酒の個性が よくバランスを取っていて、美味しいモルトですね。
しかも、癒してくれながら、浸って行けるような奥行きの深さがあるところも 魅力のひとつだろうと思います。
強いて言えば、あとちょっとボディ感があれば良かったなと思いました。
それでは、Sさん。
わしの方は、今日のウーゲデールについては、違和感というか、 「イヤ感」がありました(笑)。
マスキングの影響で出てきたと思われる、腐った感じのある酸味が 耐えられなかった。
前回飲んだ時にはそこそこ高い評価ができたので、 あらためてモルトの奥深さを知らされました。
ブルイックラディは、美味しいモルトだろうとは思うけれど、 渋み・タンニンがちょっと自分の得意でないところなので、 もう少し控えめになっていれば良かったのにと思いました。
ロングモーンは、とても美味しいと思う。
かなり辛いところ、かなり苦いところもあるけれど、バランスが取れていて、 いろいろな表情が変化しながら出てきていた。
とても美味しい。
ウーゲデールの味が180度変わってしまうんですから、 順番って難しいものなんですね。
本当だよ。
もっと気を遣ってほしいよね。
8日前に開封したことも多少は影響しているのではないですか?
日に日に味は変わってくるからね。
それじゃ、全員明後日の同じ時刻に集合のこと。
順番は、ウーゲデール、ロングモーンの順。
それでよいですね。
異議無し。
望むところです。