テイスティング・ルーム第33回
東京のとあるバーに集まる男女3人。
モルト通とはまだまだいえない初心者からセミプロまでいますが、
自分勝手なことをしゃべっているには変わりありません。
話の内容については、まあ信用できるでしょう。
なにせ呑んじゃってるんですから。
今回のウイスキー
- アイル・オブ・ジュラ レガシー(オフィシャル)
- 1972年トマーチン30年(ザ・ボトラーズ)
- 1993年山崎10年(SMWS)
登場人物
マスコミ関係の会社に勤務。おいしいものをおいしいと言える、20代の素直な女性。
金融関係の会社に勤務する男性。仕事がシビアな割に、舌の方の評価は優しい40代。
昼は国際派ビジネスマン、夜はバー&モルト逍遥の達人。
歯に衣着せぬコメントとおやじギャグが痛快な男性。
とあるバーのマスター。?代の男性。
今日は、日本未発売の一本と国内ニュー・リリースからの 注目の二本をご用意しました。
楽しみですね。
5月にスコットランドを訪問した際の土産話として、 ホワイト&マッカイ(キンダール社)のリチャード・ パターソン氏から聞いた情報をお話しましたよね。
ええ、ホワイト&マッカイが今年の夏に、アイル・オブ・ジュラとダルモアで、 デューティー・フリー・ショップ向けの新しいボトルをリリースするという 話でしたよね。
はい、その話です。
その時の話では、名前も決まっていてダルモアがブラック・アイル(黒い島)で、 ジュラの方がレジェンド(伝説)と名づけられることになるだろうと。
ブラック・アイルって、私が居なかった時に、 みんなでこっそり飲んだ濃いモルトでしたよね。
くやし~いっ(笑)。
まあまあ。
それで、もう一方のジュラの方を探していたんですが、 やっと某国の空港で見かけましたので 手に入れることができました。
まだ、日本では発売されていないだろうと。
素晴らしい。
で、私の勘違いだったと思うのですが、 あのお話をした時に、 ジュラの方の名前が レジェンドになるだろうと言いましたが、 実際にリリースされている名前は レガシー(遺産)でした。
ああ、レガシーね。
熟成年数表示がないかも知れないという話をしましたが、 実際には10年と表示されています。
これらすべて、お詫びして訂正いたします(微笑)。
ブラック・アイルのキャラクターは、配合比率の違いでしたが、 レガシーの方は、どういうことで個性を出しているんですか?
リチャード・パターソン氏曰く、これは10年オーバーのジュラをヴァッティング したものだけれども、20年以上熟成されたシェリー・カスクまで使っていると。
今後、日本で発売されるんでしょうか?
ホワイト&マッカイとしては、この二本を、あくまでもDFS向けと 位置づけているようです。
先日、ブラックアイルの方は少量ですが輸入されていましたね。
レガシーは、まだ話も出てきていませんが。
ただ、ホワイト&マッカイで試飲させてもらった時の個人的な印象では、 ダルモアのブラック・アイルよりも、こちらのジュラの方が良かったんです。
今日の皆さんの感想は、どうなりますでしょうか?
アイル・オブ・ジュラ レガシー(オフィシャル)
色はかなり濃いですね。奇麗に赤みも出ているし。
アルコール度数は?
40度ですね。
ちなみに容量は1リッターです。
グラスを流れる足は細くて長いですね。
色としては琥珀だね。
赤みがかった。
そうですね。
(各自、ノージング開始)
ああ、もろにジュラの香りですね。
他の言葉でいうと?。
麦、華やかな麦。
そうですね。
もろにジュラの麦。
ちょっと黒胡椒を感じる。
私は、少しだけ乳酸が出ているようにも感じます。
え、そうですか?。
ああ、そうですね。
スパイシーさもありますね。
あと、麦から麦茶の香りに変化してきた。
(テイスティングに移って)
やっぱり、ジュラの方がダルモアよりも良いみたいですね。
口当たりが良くて、飲みやすい。
そう、イージードリンクなんです。
スーっと口に入ってくる感じ。
で、口の中で、麦の旨みと甘さが広がって。
シェリーのクセも不快なほどではなくて。
本当に飲み易いですね。
でも、シェリーの個性は乗っていて。
やや苦みはあるかな。
舌の脇に、わずかに。
ああ、なるほど。
両側にちょっと来ますね。
ほのかに葡萄の種も感じるんですよね。
ボウモアほどに鮮烈ではなくて、ボーっとした感じなんですが。
味わいにもペッパー(胡椒)を感じる。
え、そうですか?
ジュラで、ペッパーを感じることってあったっけ?
あまり記憶にないですね。
ゴム臭まで行っていないんだけれど、ちょっと気になるクセがある。
パターソン氏がバッティングしたと言っている、20年オーバーの シェリー樽の個性が出てきているんじゃないですか。
個性付けとして長熟シェリーを使用している分だけ、 そういうところが出てきているんでしょうね。
サンプルとして持ち帰ってきたシェリー樽熟成の原酒も、 かなり濃かったと思いますし。
シェリーの配合比率とかは?
その辺りの説明はしていなかったんですが。
導入部分での口当たりのよい麦の印象が、途中からシェリーの スパイスによって、濃くなって盛り上がってくる感じがありますね。
うんうん、そうですね。
レガシーの個性的な部分が、飲んでいくうちに段々と蓄積してくる感じなんでしょうね。
わし的には、甘さがちょっとクドイように思う。
フィニッシュには、ブラックペッパーが出て、その後に葡萄の種。
まあ、葡萄の種かなという感じ。
ぼやけてますね。
あはは。
そう、ちょっとぼんやりなんです。
なるほど。
最近リリースされたグレン・オード12年だと、 もっとシェリーが重くなってくるんですよね。
このレガシーはそこまで行っていなくて、ちょうど良い感じなんです。
ストレートで、心地よく飲みつづけていけるレベル。
なるほど。その位の程よさ。
シェリーのゴムっぽい個性には、マッカラン12に通じるものがあるように思うね。
その台詞、ブラック・アイルのときにも聞きましたよ。
そうだっけ?。
マッカランのようにゴムっぽい革、だったかな。
私は、レガシーの方には、ブラック・アイルほどのゴムっぽさは感じないんですけど。
パターソン氏が、マッカラン12年を意識してるってことですかね。
いや、T・S氏がゴム臭さを意識してるってことかも(笑)。
今度リチャードが来日したときに聞いてみるよ。
シェリー樽のゴム臭さについて、どう思うかって(爆笑)。
ただ、後半の黒胡椒とゴムっぽさはスパイスになっているだけで、 全般的には、シェリーと麦の甘さのバランスだと思います。
そうですね。
この甘さがいいです。
ただ、ちょっと個性がつかみづらいようで。
だってジュラですからね。
どうして?。
捕まえ難いんです。
鹿だから。
なあんだ。
ジュラ3年はわかりやすい。
うん、あれはわかりやすいね、個性の極立ちが。
まあ、あの解りやすさについては、評価が分かれるところなんですが、 私としては、ウイスキーとしては出来上がっていないんじゃないかなと 思いますね。
わしとしては、ジュラ3年の方が、このジュラよりは出来上がっていると 思うんだけどね。
「出来上がっている」のモノサシも、人それぞれですからね。
そうね。
やっぱり、わしはジュラ3年。
私は、どっちも好きです。
だんだん乳酸が強くなってきた。
エドラダワーが2割くらい(笑)。
僕は、葡萄の種が少しハッキリしてきたように思いますね。
わかります。
ボディ感や余韻の強さについて言うと、色の濃さや液体の質感から比べると 随分と飲みやすくなっていますね。
オフィシャル・ボトルですからね。
量産品で一般大衆向けのヴァッティングになっているんだと思います。
キャラメルが入っているんだよね(笑)。
ヨーグルト・キャラメルでしょ(爆笑)。
まあまあ。
量産品とはいえども、オフィシャルの10年に比べれば、 相当に良い出来だと思いますがね。
まあ21年と比較してしまえば及ばないんですけど。
本当に飲み易いですね。
甘さはクドくないの?。
ええ、とっても美味しいです。
最近、シェリー好きですからね。
おっと失礼、ダークシェリー好きでした。
はい、そうです(にっこり)。
確かに、すっきり感、さっぱり感は無いですね。
そうですね。いつまでも「どよよ~ん」と続いていく。
じっくりと浸透してくる感じ。
今までのジュラと比較すると重厚な感じはあると思うんです。
オフィシャルのジュラって、軽快な感じですですもんね。
なるほど。
だから鹿なんですね。
1972年トマーチン30年(ザ・ボトラーズ)
それでは、次に行きましょう。
トマーチンの30年。
蒸留は1972年で、アルコール度数は43度。
それでボトラーなんですが、 スペシャリティ・ドリンクス・リミテッドとなっています。
初めて聞く名前なんですが、Sさん、ご存知ですか?
わかりませ~ん。
スペシャリティ・ドリンカーなら、わしのことだけど(笑)。
ラベルの記載内容が妙にマニアックなんですよね。
樽番号は不明(NA)、 エンジェルズ・シェアは44.2%なんて事が書いてある。
その割にはアルコール度数は13度に加水調整してあるし、 ちょっとチグハグな感じもしたりして。
樽の種類は?
これはIさんのお好きなシェリー・カスクです。
瓶詰め本数は442本ですね。
前から気になっていたボトルです。
奇麗なビーズが立ちますね。
やはり熟成30年ですから。
色は、やや薄めの琥珀に赤みが入っている感じ。
惹きこまれる色ですね。
香りは、最初に埃っぽさ、あと鼻に来る刺激。
そうそう、古酒特有の埃っぽさがありますね。
セメダイン。
花の香り、蘭の一種。
華やかなシェリーの香り。
ああ、本当だ。
蘭の花の香りが出てきた。
あっらぁ、すっご~い。
フローラルが前面に出ていますね。
良い香り、本当にすごい。
43度でも、トップの香りはしっかりと出てきますね。
蘭っていうの、よくわからない。
蘭は、orchidですよ。
えっ、「らん」っていうのは、あのKUROSAWAでしょ。
NAKADAIじゃないの(笑)。
どんな香りだよ(笑)。
・・・良質なウッドの香り。
杉に近いけど、ちょっと違う。
おすぎとピーコかな(笑)。
確かに木の香り出てますね。
ずっと嗅いでいたい感じ。
あと蜂蜜の香り。
ある種の香木の香り。
白檀とは違うんだけれど。
香りの変化が面白いですね。
口に入れてみても良いかな?
もうちょっと香りに浸りましょうよ。
お先に失礼。
ああ、最初に鮮やかに口に広がりますね。
シュワ~って。
で、後から甘さと苦さが続く。
苦さは、オロロソ・シェリー特有のもの。
最初に来るシュワ~とする印象は、重曹を入れた糖蜜みたいな感じ。
うんうん。
味わいのしっかり感も良いですね。
ミルクチョコレートだと思って食べたら、実はビターチョコだったという感じ。
うん、わかる。
最初、甘いオロロソだったけれど、だんだんドライになったという 印象もあるね。
これは好きです。
途中でパチンと弾けて。
1972年というと、トマーチン蒸留所が拡張過程にあった頃ですね。
1956年に2基しかなかったポットスチルが、64年までに12基まで増設され、 74年には24基と倍増されて、スコットランド最大の規模となりました。
その後、名実ともに「Big T」であった時期に入るわけですね。
ただ80年代の不況では、その生産規模を支えきれなくなって、 宝酒造に買収されることになる。
12へえ。
前半がしっかりと甘いモルトには、途中からフェイドアウトして 尻すぼみになるものもあるんだけれど、これは途中にハッキリとした転換点があって、 ドライに切れ上がる。
で、苦さ・ドライの余韻に流れ込んでいく。
後半に苦さが出ても、甘みは残っている。
苦さと甘さのバランスが取れていて良いね。
シェリーの苦みや癖も気にならないし。
確かにそうですね。
43度に加水調整されていても、余韻がしっかりとありますね。
熟成期間が長いからでしょうね。
ああ、これとっても面白いです。
素晴らしい。
Iさん、このモルトについて、まだ美味しいって言ってないですね。
そう言えばそうですね。
忘れてました(笑)。
実はこれ、リーズナブル・プライスです。
30年熟成にしてはね。
とてもコスト・パフォーマンスが良い。
でもこのあたりは、ちょっと手を出し難いんですよね。
トマーチンだし、70年代以降の蒸留だし。
ボトラーのスペシャリティ・ドリンクスもよくわかんないし。
これが、マッカランやスプリングバンクだったら、全然違うんでしょうけどね。
だからこそ、これが狙い目かも。
43度の割に、しっかりとボディ感があるところもいいよ。
本当ですね。
1993年山崎10年(SMWS)
さて、今日最後の一本は、話題のニューリリースからということで。
スコッチ・モルト・ウイスキー・ソサエティからリリースされた山崎ですね。
1993年蒸留の10年熟成。
樽番号は119.4です。
アルコール度数は?
山崎の割には度数が下がっていて、58.1度です。
樽の種類は?
先に種明かしをしてしまうと、 ピーテッド・モルトを使用し、 バーボン・カスクで熟成されたもののようです。
なるほど。
特に、この119.4はソサエティ日本支部の 10周年記念ボトリングということなので、 その辺りの付加価値もあるのではないかと。
とても楽しみです。
10年の割に、熟成感のある色が出ていますね。
琥珀色、やや薄めでしょうか。
香りはとても良いですね。
ピート全開で。
薫製香。
アルコールが立っていて目に来る。
鼻にも来る。
鉛筆の削りカス。
あと煙。
味わいは、ピーティーで甘さがある。
ちょっと余市カスクに感じる新樽のウッドっぽさがある。
そうそう、削りカスっぽい。
このピートはもしかしたらアイラ・ピートじゃないですか?。
石炭っぽさと甘さが出ていて。
確かにカリラみたいなところがありますね。
スペイサイドのピートでは、こんな感じにはなりませんよ。
スペイサイドなら、コークスのような感じにはならなくて、 もっと土臭さがあるはずなんですが。
驚くほどピーティですね。
私の好きなアイラの個性です。
ただ、口の中には強い甘さが残っていて。
これは山崎特有の甘さだと思いますね。
確かに、山崎はスピリット自体の個性が甘いから。
何かバランスするものが欲しいね。
少し変な個性を感じてしまった。
シナチクが、ちょっと行ってしまったかなという感じ。
進み過ぎてしまった感じですね。
わしは石鹸のクセを感じます。
そうですね。
僕も、シナチクよりは石鹸の方がしっくりとします。
なるほど。
10年熟成にしてはい良い出来だと思いますね。
香りは、とても多彩で表情豊かで。
味わいの方もしっかりとして。
時間が経ってくると、アイラピートの後ろに山崎らしさが出てくるように思いますね。
ブラインド・テストだったら、わしは余市と言うと思うね。
後半になるとピートが積み上がってくるね。
ちょっと前の私だったら、飛びついて、抱きしめて、離さないと思いますね(笑)。
加水すると、ちょっと赤ちゃんの…。
加水しなくても飲み易いから加水しない方が良いと思いますよ。
加水すると、乳酸と石鹸の間くらい。
鰹節みたいな感じが出てきた。
鰹節と、余市の新樽っぽさと、鉛筆の削りカスは仲間だからね。
そうそう、その3つが行ったり来たりする。
英語でテイスティング・ノートを付けていく時に、 鰹節では欧米人には解らないから、 鉛筆の削りかすという表現にしてしまう。
アメリカに鰹節っぽいものはないんですか?。
ないです。
少なくとも僕は知らない。
豆腐、味噌、醤油も知られてきているけれど、まだ鰹節は一般的ではないし。
なるほど。
今、トマーチンに戻ると、すごく良い香りがするよ。
ああっ、ほんとうだ。
何の香りだろう。
すごい良い香りですね。
子供の頃に好きだった飴玉のような。
とても甘い、魅惑的な香りなんだよね。
そう、魅惑的ですね。
まとめにいきましょうか?
ちょっと昔の私だったら、山崎のようなモルトを好んで飲んでいました。
アイラ・ピートの香りとドライなウッディがとても良いから。
昔の彼みたいですね。
わしのこと?(一同、ひく)。
で、ジュラの方は、まだよく解らない世界ですね。
飲み易いとは思うんだけれど、よくつかめない微妙な 個性を表現しきれない感じがあります。
きっと僕の魅力に気付いていない、みたいな。
(全員、無反応)
それで、今日の一番はトマーチン。
ビンゴ!です。
花の香りと蜂蜜の甘さとドライなシェリーの個性。
確かにトマーチンは魅力的に美味しいんだよね。
ただし、何杯も飲もうとはならないし、いつも飲んでいられない 感じがあるんだよね。
やさしくて、甘くて、魅惑的な方に、ふと出会ったしまったみたいな。
ひと目惚れで、メロメロです。
私は最初に順番を付けてしまいます。
評価の高い方からトマーチン、山崎、ジュラ。
ジュラについては、ジュラらしい、甘い麦芽味のモルトに、 シェリーの濃い味をスパイスに加えて、とても飲み易くなっている。
スタンダードのジュラとしては、とても完成度は高いと思う。
ジュラの持っている世界のなかにあるところがオフィシャルの安心感である一方で、 うまさの意外性という点でスタンダードの世界を超えられなかったところが 惜しいように思う。
まあ、順番については、他の2本との比較もあるんで、 分が悪いのは仕方ないんだけれど。
そう、不公平だね(笑)。
山崎については、これまで飲んだ山崎のなかで、 これほどのピートの利いたものが無かった。
とても鮮烈なアイラ・ピート、とても新鮮な感動があったね。
香りの表情については、複雑で多彩だった。
アイラ・ピート、燻製、石鹸、余市の持つウッド。
味わいについては、原酒の甘さと苦さがよくバランスして、とても美味い時間が続く。
ボディ感、フィニッシュも完成度が高いと思う。
ただ、味わい以降が単調になって、変化が乏しくなってしまうのはちょっと残念かな。
なるほど。
今日一番のトマーチンだけれど、最初にはちょっと埃ぽかったんだけれど、 シェリーフラワー、蜂蜜、蘭、セメダイン、香木、とても多彩で華やかで、 微妙に変化があって楽しめた。
味わいについても、最初のベースとなる甘さがあって、途中でオロロソが出てきて、 すぐにドライに切れ上がっていった。
この表情の変化については、決して途切れることなく、自然に変わっていく。
後半は、甘さと苦さがバランスしている。
とても素晴らしい変化で、Sさんのよく使われる表現だと、 「口の中のお芝居」になっていました。
星5つクラスですね。
まず最初に言いたいのは、このテイスティング・ルームに レギュラー参加するようになって、1年ちょっと位なんだけれど、 初めて3人の評価が一致したということ。
ああ。
なるほど。
普通は、少しずつ違いが出るんだけれど、順番は全く同じ。
ジュラは、作り上げられた、人工っぽい感じ。
長熟のシェリーというよりは、香料とか、ゴムとかのクセの方が気になった。
ペッパーっぽいピートがあって、その部分は良かった。
山崎については、良い出来の山崎と言えると思う。
今回は美味しかった。
石鹸の癖も香りに止まっていて、前面には出なかったし。
これをスコットランドでブラインド・テストで出したら、 誰もジャパニーズ・ウイスキーとは思わないだろうと思う。
トマーチンは、本当に良い出来。
今は、もうカスクしか受け付けない身体になってしまっているんだけれど(笑)、 これは43度であるのに、しっかりとしたアルコール感とボディがあって、 カスクにも引けを取らない。
味わいも複雑で、面白い。
オロロソの個性もあるし。
背景にあるウッドが好きだし、全体の統一感をよくまとめている。
あと最近よく感じるシェリーの嫌らしさが出てきていないところも良いですね。
トマーチンは本当にそうですね。
魅惑されました。
全員一致でマルです。
はい。